愛は惜しみなく与う④

『は?てめぇ舐めてんの?』

『……できません』


そう言った瞬間か、途中かわからないけど、思いっきり腹を殴られた

気を抜いていたからか、力も入れ損ね、もろにくらい

地面に倒れ込んで吐いた


たいして吐くものも胃に残ってなかったけど


急な吐き気と目眩
殴られたとわかったら、脳も揺れた

ゲホゲホ

自分の咳き込む声に、周りの笑い声


なんだ

やっぱり

綺麗になんて終われないんだな


こうやって笑われて殴られて…やっぱりそんな人生しか俺は歩めないんだ



もう、いいや


そのまま目を閉じた


反抗する力もなかった



『クソみたいな人生だった』



もう1発でも貰えば、死んでたと思う。
けど周りの笑い声は

ピタリと止まった








『朔…1日待てって言っただろ』



え?
この声は


てゆうかなんで俺、ちょっと怒られてんの?


蹲ったまま、声のした方に目線を持っていくと、加藤さんや、その周りにいたチンピラとは全然違うオーラを放つ泉がいた