愛は惜しみなく与う④

けど
虚しくも
女の手によって破られ、そのゴミのように小さくなった写真に、父親は火をつけ、大和は笑った


もう終わりだよな

こいつら全員

死ねばいい


俺はもう、どうなってもいいと思って暴れまくったと思う。
大和も引き摺り回したし、きっと女のことも、父親も殴った


でも所詮俺は

10歳のガキだった


気が失うくらいボコボコにされた後

外に放り出された



寒空の中


俺は寒さに震えながら、道端で目を閉じた


唯一の支えだった写真もなくなった
お母さんの顔さえ思い出せなくなってきた
涙も出てこない

もう泣けない


俺のこと気にかける奴なんてもう、誰もいない



もう終わりたいな


あらゆる所が痛い
片目は腫れ上がって開かないし
口も一定の大きさ以上ひらかない
腕も動かないし

足には力も入らない



『みんな死ねばいいのに』