愛は惜しみなく与う④

答えにくいこと、聞かれて嫌なこと
それらが自分に飛んできたら、決まって暴れた

クラスの奴らに手を出して、先生に怒られても、俺はなにも感じなかった

ただその瞬間はスッキリするんだ


どんどん俺に話しかけてくるやつも居なくなり、先生もてをつけられない、親父に言ってもどうにもならないと感じたのか

教室でも壁があった

俺がなにしても

学校に来なくても

なにも言われなくなった


そうだよな。所詮そんなもんだ。この時から俺は、お母さんまでも恨むようになってしまった。
こんな風にしたのは、あの2人のせいだって

学校からの電話で父親は怒ったが、それが原因で暴力が酷くなることはなかった。
俺のことはきっと、本当に関心がなかったんだと思う。

プライベートで嫌なことがあれば、俺が殴られる。
そして俺は、そのイライラを学校で晴らす


クソみたいな連鎖ができていた

そして
ある日家に帰ったら
父親がスーツを着ていた

久しぶりにみたしっかりした格好に戸惑う


『着替えろ』