愛は惜しみなく与う④


俺は退院してから、知らない土地にきた。
今思えばそうだよな。

不倫していて、それに気づいた母親が自殺を図る。

そんなこと近所に広まれば、その街には住めないことは一目瞭然だった。

そして俺もそれは例外ではない


子供というのは残酷だ



引越し先で入学した小学校
俺はもう手のつけられない子供になっていたんだと思う

結局あの後、梨沙は姿を消した

父親と2人、引っ越した

そしてまた暴力の始まり。でもあまりなにも感じなかった。またか。そう思うだけ

俺はただ終わるのを待つ

そして学校で俺は、家での鬱憤を晴らすかのように暴れてしまうんだった。


転校生ってゆうだけでも珍しいのか、質問責めに合う。そして決まって家族の話になるんだ


『朔くんは兄弟いるの?』
『お父さんのお仕事は?』
『どうして朔くんの家には、お母さんがいないの?』


子供の純粋な疑問なのに、俺には酷すぎた。
お弁当もみんな持ってきているのに、俺はよく食べるコンビニのパン

手作りの飯なんて

いつから食べてないだろうか