そんな時
お母さんが夜勤なのに帰ってきた
あれ?はやい。いつもは朝に帰ってくるのに。そう思って玄関に行こうとしたが、俺とは目を合わせてもくれない。話しかけてもくれないことを思い出し、足が止まる
お母さんは
俺のこと嫌いになったのかな
父親に言われた。お母さんの前では極力視界に入らないようにしろと。
早く帰ってきたお母さんに、お疲れと言いたかった
でも
できなかった
そしたら玄関で声がした
『誰の靴よ、これ…』
お母さん?
優しい声ではなく、とても冷たいお母さんの声がした
当時俺は7歳
何も分かってなかった
『お母さん?』
気になってリビングの扉をあけて、玄関を覗くと、そこには、梨沙のハイヒールを握りしめているお母さんがいた
何ヶ月も、お母さんは俺を見なかった
ここに居たのに
居ないように接してきた
また無視をされるのだろう
そう思ったのに
お母さんの目は俺を捉えた
『朔……?』
その瞬間どれだけ嬉しかっただろうか
どれだけ待ち望んでいたか
お母さんに名前を呼ばれるのを
お母さんが夜勤なのに帰ってきた
あれ?はやい。いつもは朝に帰ってくるのに。そう思って玄関に行こうとしたが、俺とは目を合わせてもくれない。話しかけてもくれないことを思い出し、足が止まる
お母さんは
俺のこと嫌いになったのかな
父親に言われた。お母さんの前では極力視界に入らないようにしろと。
早く帰ってきたお母さんに、お疲れと言いたかった
でも
できなかった
そしたら玄関で声がした
『誰の靴よ、これ…』
お母さん?
優しい声ではなく、とても冷たいお母さんの声がした
当時俺は7歳
何も分かってなかった
『お母さん?』
気になってリビングの扉をあけて、玄関を覗くと、そこには、梨沙のハイヒールを握りしめているお母さんがいた
何ヶ月も、お母さんは俺を見なかった
ここに居たのに
居ないように接してきた
また無視をされるのだろう
そう思ったのに
お母さんの目は俺を捉えた
『朔……?』
その瞬間どれだけ嬉しかっただろうか
どれだけ待ち望んでいたか
お母さんに名前を呼ばれるのを



