愛は惜しみなく与う④

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俺がこいつら見てるから、話してこい
泉にそう言われて、杏はありがとうと呟き、車の方へ歩いた

チラリと泉をみると、本当に8人一気に相手をする様子


「杏!」


声をかけるが杏は歩みを止めない


「泉が任せろゆうたんや。大丈夫や」


車の後部座席のドアを開けて、俺は後ろに押し込まれた。公園を振り返ると、泉と大和達がやり合う

そわそわして窓の方を見ていると、杏が視界を遮るように、俺と視線を合わせた



「このまま帰ってもいい。赤羽組とか水瀬のことは、一旦明日で落ち着く。東堂組が動いて、明日の晩に赤羽組を摘発することになった。だから、朔はもう、赤羽組の為に動くことはしなくていいんやで。」


そ、うか。
杏も大丈夫だったんだな


「水瀬になにもされてないか?」

「うん、大丈夫。みんなが守ってくれてるから大丈夫やで」


杏の表情を見て安堵した
本当に、大丈夫そうな顔をしていたから。

でもどうやって解決を?赤羽組を摘発したところで、スコーピオンに揺すられてるのは、変わらない気がする