愛は惜しみなく与う④

ここへ来た時も泣かせてしまったけど
そんなに泣くことなのか?てゆうか、泉は?

泉を振り返るが、お前がなんとかしろよと言う顔をされる


「ごめんって、杏。泣くなよ。俺大丈夫だから」

「あたしらのこと、頼りない思ってんにゃろ」

は?

「そんなの言ってねーだろ?」


どっからそんな話になった!
俺がここに1人できたからか?誰にも言わず…でもそれは、頼りないって思ったからじゃなくて…


俺は、決着をつけたかったから



俺のことだから


自分のことだから、1人で決着をつけようとした


でも結局俺は、何もできてない
この胸のモヤモヤも、何も晴らせてない


過去と向き合うのが怖い


捨てられた記憶を思い返すのが怖い


大和と話したら、すべて思い出してしまう


されてきた事をすべて


殴られたのも、殴られ続けたのも


諦めてたからかもしれない




今更どうこいつらと話したところで

あの忌々しい過去は変えられないから