愛は惜しみなく与う④

念のため
そう言って志木は今すぐみてくれる病院を探す


ありがと


朔は志木にそう言って、あたしの前に来た



「なんだよ、その面。お前が頭の中でグルグル解決もしないこと考えても意味ないだろ」


「…朔のくせに、むかつく」


だってなんか
朔が



「笑っとけ。帰ってきたんだから」



何処かへ行ってしまいそう



いつもみたいに言い返せなかった
問い詰めたかったのに、朔に壁を作られた。


「とりあえず眠いから寝ていいか?泉の部屋かして」

フラフラと朔は泉の部屋へ向かう

俺もついていくと、響は朔に付き添った


残されたのは、あたしに志木、泉、慧、新


1番に口を開いたのは慧



「朔、嘘ついてた」


嘘に敏感で、人の顔色の変化に1番気づいてくれる慧は、朔の後ろ姿を見ながらポツリとつぶやいた


「とりあえず、朔があーゆう対応するのには訳がある。すぐに頼ってこないってことは…何か人質にとられてるのか…ってところだな」