愛は惜しみなく与う④

声に出たのか、頭の中で呟いたのか分からないけど

真っ暗な公園に

突然光がさした気がした


何かが猛スピードで近づいてきたと思って、公園の入り口の方に目線を向けると

目の前に



スニーカーの靴の裏が見えた  
両足分


え?
なにこれ

そう思ったときにはもう、俺を押さえつけている男達は、地面にのびていた




そして街灯で金髪がキラリと光り、杏だと分かった


ど、うしてここに
杏がいるんだ?

衝撃と共に尻餅をついた俺に、無言で杏は近づいてきて、俺の頬にペチンと可愛い音が鳴る程度で、ビンタをした




「心配したやろ」



杏の顔をパッとみあげると、その瞳には涙が浮かんでいた

ごめん。そう謝ったが視線を逸らしてしまう


また

泣かせた


俺今どんな顔してんだろ


「あんたは1人と違うやろ?仲間いるやろ?あたしもいる。やのになんで…一人で抱え込むのよ。あたしらに、喧嘩売ってんのか?」


潤んだ瞳で、声を荒げることなく話す杏は、必死に俺に1人じゃないよと伝えてくれていた