愛は惜しみなく与う④

あぁ。泉は、泉のままや

ちゃんと朔のことを見れてる


「は?何かあったって、そりゃ、久しぶりの拉致だからな?ビビったけどまぁ……烈火とやり合う気はなさそう」


「……それはどうでもいい。こうなったからには、silver KINGは俺らで潰すし、赤羽組のことも調べて、志木さんに任せる」


適切な判断
あたしはそう思う

何が理由であれ、手を出したのはそっち
怪我だけで済んだが
もっと酷いことだって起こり得るんだ。


しかし朔は、泉に言った



「大和と、クソ親父が絡んでる。なんとかするから…手を出すのはそれが終わってからにしてくれ」



朔の家族
あたしはまだ…何も聞いていない

しかしこの時、あたしと志木以外は、朔の発言に違和感を覚えていたんだ





朔なら、大和や父親が絡んでいても、気にせず潰しに行こうって言うのに



そう言わなかったことに


あたしたちを除くみんなは、違和感を覚えていた



「…傷も丁寧に手当てがしてあります。安静にしていれば治るでしょう。あとは…頭のスキャンだけ、取りにいきましょう」