「どこか、痛い?」 まるで子供に話しかけるような柔らかいトーンで、小鳥遊くんが私に訊いた。 私は言葉にならず、目を閉じて俯いたままで首を横に振った。 「具合、悪い?」 訊かれて、また首を横に振る。 「花火、来たくなかった?」 首を横に振る。 「俺と、来たくなかった?」 横に……、え? 思わず目を開けたら小鳥遊くんと目が合った。