「足、痛くないか?」 「うん」 「なんかあったら言えよ」 「うん、ありがとう」 満員電車のような道をゆっくり進んでいく。 カレカノみたいなはしゃいだ会話はなくて、前を向いたままの小鳥遊くんが時々声を掛けてくれる。 何だろう。 不思議。 ちょっと、小鳥遊くんがいつもと違うような気がする。 夕方に会った時の小鳥遊くんは、いつもの小鳥遊くんだった。 『お前は黙って可愛くされてればいいんだよ』 なんて言って、キスしてきたり。