「私が遅れたせいだね。ごめんね」

「まだ時間あるし、ゆっくり行こうぜ」

「うん」


夕凪橋を過ぎて川がカーブした先に打ち上げポイントがある。


有料の観覧エリアはその向こうだ。

駅からの人波はそこまでずっと続いている。


車両通行止めになっている道が人で塞がれて全く進む気配がない。


「川沿いから一本あっち行こうか」

「あ、うん。そうだね」


小鳥遊くんが指差したのは川沿いの道路と平行して通っている細い道だった。


同じような考えの人が歩いていて混んではいるけれど、少しずつ前に進んでいる。


私たちはその道を選んで、会場に向かうことにした。