「ぶっちゃけあたし、振られたことないんだよね」

「すご」

「でもそれって、あたしも向こうもノリだから。小鳥遊くんにノリが通じるかどうか、あやしいじゃん」

「あー、そこね」

「って思ってたんだけど、未来と話してる小鳥遊くん結構よさげだから、一緒に遊ぶ感じにしたらノリで付き合えそうかなーって」


顔の前で「お願い!」と手を合わせてウインクする菜々美。

この流れで、私も小鳥遊くんが好きで、とはとても言い出せない。


「いいよ。ってか普通に話そうよ」

「きゃー! ありがとう!」


ゆるくウエーブした菜々美の栗色の髪がふわりと弾んだ。