停滞した不穏な空気が一転して、学園祭モードになるA組の生徒たち。 その向こうに、見たことがないくらいに優しい表情で和奏さんの頬を撫でる小鳥遊くん。 見たくないものを、また見てしまった。 学園祭が上手くいくのは喜ばしいことなのに、私はそんなふうには思えなくて。 「あっ、未来ちゃん」 呼び止めるココロの声に返事もできず、逃げるように廊下を走った。