「ダメだよ」 そう言って小鳥遊くんのカーディガンを掴んだ私の手を、小鳥遊くんがパシンと手で振り払った。 「あっ」 払われた手は痛くなかった。 そんな強い力じゃなかったから。 だけど。 手じゃなくて、心が。 たまらなく痛い。 時給の良いバイトをクビになるかもしれなくても、学校を退学になるかもしれなくても、和奏さんを助けに行くんだね。