長い睫毛が2.3度瞬いて、その表情はすぐに驚愕へと変わる。



「どうして?」



どうしてここにいるの?なのか



どうしてここが分かったの?なのか



どうして勝手に人の部屋に入ってるの?なのか。



どうすっかなぁ……。



俺と詩織までの距離は1メートルと少し。



手を伸ばせばその髪や、顔に触れる事は簡単なのに……それが出来無いのは、病人であるはずの詩織が見せる瞳の強さのせい。