「容態はどうなんですか?」 「命に別状は無いんだが……逃げる時に飛んできた何かの破片で大きく内臓が傷付いているのと、後は本人の精神的ショックだな」 もう何度も説明をしたせいか、セリフのようにそう呟く社長。 思わず 「見舞いとか行けるんですか?」 そう口にした俺に社長は険しい顔をして 「忘れて欲しいと言っただろう……君にはもう関係のない人間だ」 静かに、しかし厳しく。その言葉には反論を許さない強さが込められていた。