軽く飲み干した赤ワインの影響なのか、少し潤んだ瞳をした理奈が珍しく甘えた声を出すのが可笑しくて。



「いいですよ」



いくら豪奢な部屋だって、毎日同じ所にいたら飽きる。



さりげなく中座をして社長に確認すると、今いるホテルの部屋へそのまま泊まれと言う。もちろん会社の金で。



まだ給料日前で金なんて持っていない俺はほっと一息つくと、部屋のナンバーをメモに取って理奈の下へと戻った。



「じゃあ、行きましょうか」