荷物を理奈の部屋へと届くよう手配をすると、今度は腕を絡ませて暗くなりかけた街を歩く。



長身で美人の理奈と、会社提携のトレーニングジムで鍛えて更に男らしくなった俺。



周りが次々と振り返るのが気持ちいいのか、いつもより少しだけ表情を緩めると、慣れた足取りで高級ホテルのレストランへと入って行く。



スパルタでマナーを教え込まれた俺は、いかにも当たり前のようにナイフとフォークを操ってみせるけれど……正直面倒くさい。



箸持って来い!!こっちは客だぞ。



なんて、発狂しそうなのはしっかり仮面の下に隠して、味のしない上品らしい目の前の皿に乗った食事を片付けていた時。



「ねぇ……今日はどっか泊まろうか」