その日の深夜。



うなされる詩織の声に、隣のソファーでうとうととしていた俺は跳ね起きた。



「大丈夫か?」



「私……あれ?ここは……」



「いいからゆっくり寝てろ」



怖い夢でも見たのか震える背中。それを撫でるとまた眠りの闇に落ちていく。



結局それを繰り返す事数回。



そうしているうちに朝になり、詩織はそのまま顔だけ洗うと仕事へ向かって行った。



この時俺が、疲れているみたいだと社長に告げていたら……。



もう少し休めと強引に部屋から出さなかったら……。



いっその事、朝が来ても起こさなかったら……。






そうすれば



良かったのか??