「あれ?」



そこには……さっきまでいた筈の詩織の姿が消えていて



慌ててリビングの中央へ向かうと、ソファーの裏に青い顔をして倒れているのを発見した。



「おいっ!!」



息は……と、してるか。



具合が悪そうではない。



すやすやと……安らかに寝息をたてている。



「……脅かすなって」



慣れない仕事はこの小さな体に重く圧し掛かっているんだろう。



ただでさえ乗客の命を預かる身。



精神的にやられて当然。



起きる気配がない事を確認すると、そのまま抱き上げてベッドへと運ぶと、一人リビングでブランデーを煽った。