それから一年が過ぎた頃。



事情を話し、違う寮へと移った詩織の元へ会社から手紙が転送されてやって来た。



俺は……詩織が日本にいる時にはその部屋で過ごしている。



彼女の中から過去が消えるまで。



時間をかけて二人の距離を縮め、先月ようやく初めて詩織を抱いた。



あの日の事を俺は一生忘れないと思う。



なによりも、詩織が心から認めてくれた気がして……嬉しかったんだ。