植え込みから突然立ち上がった俺の姿に、一瞬二人の動きが止まる。 「誰?」 「……龍太?」 俺の名を詩織が口にしたその時 「へぇ……一人前に男かい。自分が幸せならそれでいいって訳だ」 「龍太は会社の人よ。別にそういうのじゃ……」 再び諍いに発展しそうな二人の間へと、ひょいと壁を乗り越えて割り入った。 「俺の完全な片思いですけど……何か?」