上げた視線の先に映ったのは、久しぶりに見る少し痩せたようなその姿。



どうなってんだ?



邦夫って……誰だ?



詩織とこのおばさんがその男を取り合ってたとか……。



いや、んな事は無いよなぁ。



そんな事、あって欲しくない。



部屋に戻ろうとする詩織をおばさんは更に追いかける。



「アンタ……事故に遭ったんだって?そのまま死んじゃえば良かったのに」



おいおい、それはいくらなんでも無いだろう。



その、あまりにも悪意に満ちた汚い言葉に、思わず口が開いていた。



「おい、そこのおばさん!」