「どうしてここに……?」 それだけ言うのが精一杯だった。 だって、そこにいるのは……会いたくて会いたくて堪らなかった人の姿。 「それはこっちのセリフなんだけど……辞めたって聞いたのに、そうじゃなかったの?」 「いや、それは……」 まっすぐに見つめる詩織の瞳。 その口から放たれた次の言葉で、俺は彼女が何も知らないんだという事を知った。 「入院中は酷い事言ってごめんなさい。あ、私ここに残れる事になって……」 残れる事になったって……まさか、詩織は何も知らない?