何も知らない男が詩織に無茶をするかもしれない。 そんな、新たな恐怖が襲う。 触れられる事を恐れる詩織に、いくら研修を受けているとは言え、理性が止まらなくなる事だってあるような……気がする。 特に、この目の前の男を見ていたら。 「何?」 「いや、何でもない」 詩織が戻れるぐらいに回復して、社長が約束を守り復帰させてくれた事。 自分が望んだその結果が、本当に良かった事なのか。 急に不安になると同時に、沸々と再び湧き上がる想いを抱えて俺は実の部屋を後にした。