その正体は謎のまま。 物語の中のあしながおじさんは結局誰だったけな? 覚えてねーけど、主人公と出会って、ハッピーエンドだったような気がする。 だけど……俺にはそんな日はやって来ない。 この選択をしてしまったら、一生他の女のモノになるんだから。 腰掛けていたベッドから伸びをして立ち上がると、そのまま受話器を取った。 押した先はもちろん社長室。 「一度、その方に会わせて貰えますか?」