「ね、ねえ、急になんなの」

美玖は半分立ち上がって、小声で麗羅に抗議をした。

麗羅は赤い唇に笑みを浮かべ、なにごとか美玖の耳にささやいた。

美玖の顔から、すーっと血の気が引いていく。

すとん、と美玖はそのまま座り込んでしまった。

「ねっ、だから仲良くしよ」

麗羅はネイルにされた手で、美玖の手をぎゅっと握りしめていた。

呆然と立ち尽くしている環奈のもとに、吉野たちにグループがやって来た。

「なにあれ、ひっどいね。ひとりになりたくないから、本田さんを取ったんだよ。きっと言うことをきかないと、藤原さんにまた嫌がらせをするとか脅したんじゃない?」