しかし、吉野をはじめ、女子生徒たちはつんとした顔で聞こえないふりをしている。

先に教室にいた美玖も、机をうつむくように見て、黙っていた。

由愛と組んでクラスメメイトたちに、上から目線で嫌味ばかり言っていたので、誰も相手にしていないのだ。

もう反応がないので、麗羅は面白くなさそうな顔をして、口をつぐんで座り込んだ。

今や麗羅と一緒に声を行動するのは真紀だけだ。
由愛といたときの麗羅は蝶と花のようにあでやかだったが、今や陰りつつある。

いい気味……。
環奈の口元が自然とゆるむ。それと同時に、黒くてじんわりした物が心に染みのように広がっていく。