体育館裏のトイレ。
雅彦の事故があってから、立入禁止と書かれた手書きの札が貼ってある。

その周りは黄色いテープが張り巡らされていた。

環奈はあたりを見回して、こっそりとテープをまたいでトイレの建物内に入った。

足場が落ちてこないかヒヤヒヤしながらそうっと、足を出す。

ただの都市伝説のような噂かもしれない。

だが、雅彦が目を覚ます可能性があるのなら1%いや0.1%の可能性でも、今はすがりたかった。