「は?」



人は驚きすぎると頭が真っ白になるというけれど、私はそのことを今、身をもって体験した。



一目惚れ?誰が?私に?



いやいや幻聴幻聴。



会えた喜びが大きすぎて、妄想と現実の区別がつかなくなってるんだ!うん!そうに違いない!



「あぁ······本当にかわいい。僕と結婚して······?」

「はあ!?結婚?」

「僕のものになって?一生幸せにするよ?」



出会って1分も経ってないのにプロポーズですか!?



しかもそのお相手が天下の澄白千歳くんとは·····



もちろん返事は······



「ダメです!千歳くんは世界中の女の子のものであって、こんなボロ雑巾みたいな私と付き合うなんて絶対ダメです!!」



どう考えてもNOです。



というかその前にファンの子たちに殺されます。私の命も考えて!



「そんな自分を卑下しないで。君は俺のタイプ·····どストライク。」

「いやいや······」



ちょいちょい、近い近い近い!!



もしも顔を動かしたら肌が触れ合ってしまいそうな距離感。



「ねえ·····キスしていい?」

「え·····いや、あの·····」