「中島くんよかったね、おめでとうっ……」


ついはしゃいだ声が出た。

一方で中島くんは、怒っているのか笑っているのか判断のつかない顔であたしを見ていて。



「はい、まぁ、その……、……ありがとうございマス」


ぼそぼそとそんな返事をこぼしたかと思えば、次の瞬間にはがっくりと頭を抱え込んでしまった。


あ、あれ……?
もしかして機嫌を損ねちゃったかな……。



「あの、中島くん」

「……つらい」

「へ?」

「……毎日つらい……俺もうすぐしぬのかも……」

「ええっ?」

「……かわいすぎて……彼女が……」



一瞬ぽかんとする。

一拍遅れて、心臓がドッと跳ねた。


の、惚気られた……!



「じゃーせっかくだし次からその女連れて来いよ。特に問題ねえだろ、七瀬?」



中島くんの頭をよしよしと撫でながら、三成が尋ねる。



「そうだね。相沢さんも女子の話し相手がいたほうが過ごしやすいだろうし」



反射的にうなずいた。


「あたしも……会ってみたい」