アランの回りいた者達はアイリスのかわいらしさに驚き、ぽかんとしていたが、ダダ漏れしている陛下の表情に驚愕していた。

「おい、あんな陛下見たことあるか?」

「うそだろ!」

騎士達が肘をつつきあっている。


「陛下、皆が見ていますよ」

見かねたラルが耳打ちし、アランはさっと立ち上がるとラルと供に自室へと向かった。





自室でアランは頭を抱えていた。

「くそっ……」

「先ほどからそれしか言ってませんね。少し頭を冷やしてください」

ラルに水を差し出されアランはそれを一気に飲み干した。

それでも体の熱は引いてくれない。

「ぐっ……」

口に手を当てて俯いてしまう。

それお見ていたラルはため息をつき「陛下はムッツリすけべだったんですね」と、しれっとした顔でいってくる。

「だれがムッツリだ!!」

「じゃあ今、目を閉じてみてください。何が見えますか?」

「うっ……」

アランは返す言葉が見つからない.


「陛下やっぱり……」

「別に変な想像していたわけでは……」

ラルは白い目でアランを見つめていた。





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アランとアイリスが夕食を共にしてから数日が経ったある夕食時。

ん……?

なんだか最近の料理はキラキラとしている。

盛り付けも以前と全然違う。


そこで料理長呼び話を聞いてみると、あたふたしながら何がたったのか話し出した。

「それは数日前のことです。アイリス様がわざわざ厨房までおいでくださり、いつも美味しい食事をありがとう。食事をいつも楽しみにしています。との事だったので、えっと……その……
少し張り切りすぎましたか?」

料理長は申し訳なさそうに帽子を握りしめ俯いている。

なるほどな……。


「そうか、それなら良い。私からも礼を言う。いつも美味しい食事をありがとう」

「もっ……もったいないお言葉です。陛下」

料理長は目に涙をうかべ、うれしそうに厨房へ戻って行った。