合宿2日目

 体調不良でみんなと行動できなくなるなんて、情けない。

 でも落ち込んでいられない。

 コーヒーを飲んでいたフジオから、良質な食事と睡眠をとるように言われた。

 当の本人がそれらをとれているかは甚だ疑問だが、その通りだ。

 ちょっと横にならせてもらおう。

 部屋の扉をあけようとしたら、鍵がささらない。

 なぜ。

「そこ。俺の部屋」
「……え」

 やってきたのは、あの男。

「あれ。ほんとだ。っていうかイガラシさんもトレーニングに向かったんじゃ……?」

 試合に向けてみんなの練習に入ることになったんだよね。

「忘れ物」

 あ、そうなんだ。

「調子よくないんだろ」
「……イガラシさんは。細かいことに気づく人ですよね」