「っていうか。纐纈さん」
「へっ」

 天ちゃんが近づいてくる。

 じっと見つめられ、なんだか照れ臭い。

「顔色悪い」
「え……」

 そういえば。

「頭が、ちょっと痛い」

 でもそれは寝不足からくるやつかなと。

 普段のんびりしているのに昨日は一日中動いたから、体力も消耗したし。

「もう一回寝てきて」
「え、これから買い出しとかあるよね」
「悪化してもっと使えなくなるし。風邪でもひいて選手にうつしたら困るから」

 そ、そんなあ。

「それがいいよ」
「藍さん……」
「買い出しは任せて」

 今夜は鍋だったな。

 夏なのに、鍋。

「昼は、お弁当が届くことになってるから。そんなに忙しくもない」
「すみません」
「あたしらも、交代で休むし。心配しないで」