「当時からとんでもない人だと認識してた。ナリさんの兄貴は趣味でアイスホッケーやるためにうちの高校にアイスホッケー部を作ると言い出した人間で。ナリさん本人は持ち前のセンスでハイレベルなプレイをする選手で」

 成澤が、氷河くんとアイスホッケーを繋いだ。

「『うちにこれば塾に通わなくてもレベルの高い授業受けられる。アイスホッケーもできる。国立大学に進めば私学ほど金かからないし、私学でもスポーツ推薦で入れば免除がある』

――当時、日本に慣れてなくて。未来もなにも見えなかった俺に、ナリさんは道筋を示してくれた。

『君がアイスホッケーも勉強も頑張ること、誰も止めてないから』と」