入ってきたのは、アイツだった。

 なんで来るの?

 それも――……

「やあ、氷河。今お楽しみ中」

 こんなとこ見られるとか。

「といっても、始めたとこだし。混ざる?」

 最低すぎるんだけど。

「俺は掃除しに来たんですけど」
「あれ。なんだか思ったより冷静だね? 怒り狂うとこ見たかったのに」

 どういうこと?

 成澤が当麻氷河を呼んだの?

 掃除の手伝いでも、させるつもり?

「ナリさん」
「なんだい」
「本気出すこと。止めてませんから」

 …………!

「どうしちゃったの。いつもに比べて余裕あるみたいだけど――エリナちゃんが自分に夢中だから安心しきってる?」
「譲ってもらうとか嫌なので」

 まっすぐに成澤を見つめる当麻氷河の目は、純粋で力強い。

「ただし、傷つけたら赦しません」