てっきり沙里が運んできてくれると思ったら、

「タピオカミルクティーです」

 綺麗な――なんとも色気のある人がそれを持ってきた。

 亜麻色のショートヘア。

 白いシャツに黒のパンツ姿のその人物は、そのまま雑誌とか載っていそう。

「……あれ。普通のでいいって言ったのに」
「タピオカ嫌い?」
「いえ、そういうわけでは」
「良かった」

 ニコッと笑う、美人さん。

 もはや店内にいるサラリーマンはこの人を目当てに来店してるんじゃないかと思えてきた。

「よく来てくれたね」
「え……」
「サリーちゃんが、いつも君の話をしててね」

 サリーちゃん……?

 沙里のことサリーと呼んでいるの?

「一度会ってみたかったんだ」

 もしかして、この人が店長!?

「オーナーの白鳥です」

 店長というか経営者じゃん。

 そして名前までなんだか優雅。