今日も今日とて

 ひと気のない図書室でアイツは机に向かっていて。

 そんなアイツのとなりで時間を潰すわたし。

 一応英単語を頭に叩き込んだりしてみているが、これがまったく入らない。

「ふーん。エリナちゃんは、氷河の愛が欲しくてたまらないんだー?」
「……え」

 うしろから声をかけてきたのは、成澤だった。

 またあんたか。

 ほんと、いつの間に背後にいたの。

 忍者か。

「だったら、二人でうち来る?」
「どうして成澤の家に行かなきゃならないの」
「送迎つけてあげるよ。君らに必要なものも揃ってるだろうし」

 なんだよ必要なものって。

「氷河、ちゃんと持ってる~? ないなら先輩があげよう」

 テスト勉強の道具ではないと思うのでスルーしておこう。

「ナリさん」
「ん?」
(ふじ)さんには、話してあるんですかね。コイツのこと」