昇降口で靴をはきかえ、人が群がるクラス分けの案内に自分の名前を探す。

1年B組.....か。

いろんな科がある学校だと言うのに全ての科を混ぜて、クラス分けをするらしい。

人の波に乗りながら、自分の教室を探し、右往左往する。

あった.....!

やっと見つけた教室に入って指定された席に座った。



「ねぇねぇ、名前なんて言うの?」

座った途端に前に座っていた女子から話しかけられ、ビクッとしてしまった。

「す、菅野芽唯(すがのめい)です。よろしくお願いします」

名前は偽名。

誰かに知られたら困るから。

それに加えてウィッグとメガネでプチ変装までしている。

「私は浅野奈穂(あさのなほ)。よろしくね!敬語じゃなくていいよ?」

「あ、ありがと、う」

奈穂は髪はショートカットで少しボーイッシュで明るくムードメーカー的存在になるような性格だった。

「緊張してるの?」

そう言ってふふっと笑った奈穂。

この笑い方は嫌いじゃない。

私はそれにコクっと頷き、顔を赤くしてしまった。