私の名はユゼフ・コハンスキ。

今日はショパンコンクール本番だ。

それにしても朝から面白いお嬢さんに会った。

日本人でマークしているのは真城星羅、野山惺だが.....。

あの子の名はなんというのだろう。


「今日の本命はヘリク・マリノフスキーと野山惺だな」

「あ、あぁそうだな」

「どうした?なんかあったのかい?」

「いや、なんでもないよ。今日のコンテスタントに日本人はいる?」

「日本人?野山惺だけだったと思うが」

「それならいいんだ」

「.....?」

「気にしないでくれ」

「.....今日なんかおかしいぞ?しっかりしてくれよ、“審査委員長”」

「あぁ、わかっているよ」