「おはよう。お疲れさまだね」

「おはようございます。ここまで来てもらっちゃってすみません」

「大丈夫だよ。とりあえずサヤのお母さんが取ってくれてるホテルまで送るからね。あとその近くに住んでる知り合いがピアノずっと使っていいそうだから本番まではボクがそこでレッスンをしよう」

「先生はご都合大丈夫なんですか.....?」

「先に来たのはショパンコンクール関係の知り合いと話があったからなんだ。ボクの生徒はサヤだけだから大丈夫だよ」

ルイス先生がいてくれるなら安心だ。

ピアノも貸して貰えるならすごく助かる。



ホテルで荷物整理を済ませ、ルイス先生とその人の所へ向かった。

「好きに使っていいですからね。汚いところで申し訳ありませんが。もう誰も使っていないもんでして。でも調律はしてあるので安心してください。あと防音なので夜とかも来て大丈夫ですよ」

「ありがとうございます。よろしくお願いします」


「じゃあ早速レッスンをしようか。第1次審査の曲からだね」

「はい」



毎日があっという間に過ぎていく。

朝起きて、少し散歩し、ピアノの練習室に籠る。

午後からは先生のレッスン。

先生が帰ってからは日付が変わってもずっと弾き続けていた。


そして明日からついに始まるショパンコンクール。

緊張で寝れず、居ても立ってもいられなくなった私はまた練習室に赴くのだった.....。