「がんばってね、紗夜」

「連絡するんだぞ」

「うん!いってきます」

次の日の朝、5時。

お母さんとお父さんに見送られつつ、私はワルシャワに飛んだ。



結局、ワルシャワに着いたのは現地時間でいう午前中。

時差ボケで頭が冴えない。

そんなとき

「.....紗夜?」

「え?」

「紗夜よね?」

「し、時雨?」

思いも寄らない人物と出会ってしまった。

「久しぶりね〜!」

「そ、そうだね.....。でもよくわかったね?少し変装してたのに」

「そりゃ後ろ姿でわかるわよ」

「さすが時雨」

「まぁね。紗夜は1人?」

「うん」

「よかったら一緒に行きましょう?」

「時雨も1人なの?」

「いや、奈穂と一緒に来たんだけど.....」

「奈穂も来てるの!?」

「そう。聴きに行くって聞かなくって」

「あはは。奈穂なら言いそうだね」

「そうなのよ。そういえば紗夜は何日目?」

「2日目」

「2日目か。私と一緒じゃないな〜」

「え?」

時雨出るの?と言いそうになってやめた。

まさか出るとは思わなかった。

最近聴いてなかったから時雨の演奏聴きたいな.....。

「何?もしかして私聴きに来たんだと思われてた?紗夜ひどいわよ〜」

「お、思ってないよ」

「うわ.....。絶対思ってたくせに」