きらきら星に魅せられて

再度集中し直し、鍵盤に向かう。

まずはフォルテピアノ。

これはフォルテで弾いたあとすぐにピアノに落とすという強弱記号だ。

激しく、情熱的に。

右手が鍵盤を走り回る。

「そう、いい感じよ。でも落ち着いて!テンポを保つの」

.....え?

先生.....?

「集中しなさい!そこは右手と左手をしっかり合わせて。そう!その意気よ。はい、膨らませて。どんどん前に。でもテンポキープ!速くならないで。腕の力を抜いて。体が固まってるわ。そう、そのまま最後まで突っ走るようなイメージよ」

先生の言っていることをできるようにしようと必死に弾く。

もう自分でも何が起きているのかさっぱりだ。


最後の音を弾ききったとき、私は汗だくだった。

いや、これは涙なのかもしれない。

あの先生のレッスンは......

私が2回目に出たコンクールの前日のレッスンだ。

なんだ、私、何も成長してないじゃん。

先生にあのとき言われたことできてなかったもん。

もう1人でもがんばるって言った。

言ったけどさ。

―――先生、会いたいよ。



「森本さんの点数は98点。大丈夫ですか?」

「はっ!すみません、大丈夫です」

音楽科の先生の声で我に返り、席に戻った。

98点か.....。

きっと先生の指導のおかげ。

あれは.....

私があのときの先生の言葉を思い出していただけ?

それとも先生は本当に.....