「ねぇ、菅野さん。菅野さんが森本紗夜だって噂、本当なの?」

席に座った途端に周りの人から質問攻め。

大方さっきの舞台を見に来ていた人が広めたんだろう。

報道陣からの質問攻めが終わったと思ったら次はこれですか.....。


「紗夜が困ってるでしょ?やめて」

「答えられないって言ってるじゃない。しつこいわよあなたたち」

奈穂、時雨.....。

「うるさい。お前らには関係ないだろ」

「関係あるよ。紗夜の友達だもん」

「そんなのどうでもいい。俺らは菅野に聞いてるんだ」


「ねぇ、どうして急にいなくなったのかだけでも教えてよ」

「無理って言ってるでしょ」

「真城星羅が嫌になったとか?」

「あ〜ありそう。あんなやつの友達なんて誰だって嫌だよね」


「いい加減にしてよ.....っ」

思いっきり席を立ち、声を張り上げてしまった。

「私には私の事情があるの。星羅ちゃんは関係ない.....っ」


静まり返った教室。

そんななか、スマホを手にする生徒が1人。

「ねぇもしもしお父様?.....うん.....そう。退学でも停学でもなんでもいいの。.....ええ。家に帰ったら言うわ」

星羅ちゃん.....?

何をしたの?

「さっきから言っているでしょう?お父様のこと。あなた達のことは紗夜をいじめた件で理事長には伝えてもらうから」