週刊誌の記者…あまり良いイメージはない。
あの日…あの男の正体が明るみになったあの日、我が家の前で待ち伏せしていた人間達…
思い出して私は震えた。が、私の頭にはすぐに別の考えがよぎった。

週刊誌の記者とはいえこの人は私を助けてくれた恩人だ。あの男の本性が分かった今、私はこの人に全て暴露するべきなのではなかろうか?
そうすれば私達家族を地獄に突き落としたあの男に少しでも天罰を与えられるのではないか?

「サユ?知り合いの方は何だって?」

手紙を読み終えた私の顔を覗き込むお父さん。

「ああ、この人知り合いのお姉さんだったよ。何か困ったことがあったら頼ってねって。お礼の電話してくるね!」

私はそう誤魔化して部屋を出た。

あの男の本性…全部バラしてやる…

「もしもし…花山さんですか?…一ノ瀬咲夢です。」