「アンタなんか私を庇って死ねば良かったのに!何で…何で生きてんのよ…この鬼畜っっ!!」

私は息を荒らげながら叫んだ。
まさか私がこの男に死ねという日が来るとは昨日までの私には想像もつかないだろう。

「ひっでえぇ!ついさっきの『私は一生お兄ちゃんの味方』宣言はどこ行ったんだよ。仮にも血を分けた兄妹だろ…」

「アンタなんか私のお兄ちゃんじゃない!…訂正してよ…アンタと私が血を分けた兄妹だって言ったの訂正して!」

私は男に掴みかかって自分のものとは思えないような、先程とは比べ物にならないほど大きな声で怒鳴った。
しばらくの沈黙の後、男が口を開いた。

「ああ…確かにそうだな。俺たちは『半分』血を分けた兄妹って言った方が正しいかもしれないな。」

そう言って男はまた鼻で笑った。

「何それ…ど…どういう事…?」

恐る恐る尋ねる私。そんな私の様子を見て、男はまたプッと笑った。

「だってサユ、お前父さんの娘じゃないし。」