「…サユのお兄さんて優しいね…」

お兄ちゃんがいなくなると、リサがポツリと呟いた。

「でしょ?暇な時とか結構一緒に遊んでくれるんだよ!今はテスト期間中だから無理だけど。」

私はドヤッと言わんばかりの顔で言った。

「お兄さん、12歳上だっけ?」

「そうそう。私が生まれた年の小6だからね。うちらの一回り上だよ!」

「…彼女さんとか…いるのかな?」

突然顔を赤くして視線も逸らすリサ。
私はえーと…と、少し困った顔をした。

「た、多分…今の所いないんじゃ…ないかなぁ?平日は仕事だし、休日は今日みたいに家にいること多いし?」

私が曖昧にそう答えると、リサは今度は瞳を輝かせて私を見つめた。

「ほんと?!…良かったぁ〜……!」

そんなリサのことを私がじーっとみつめていると、

「ご、ごめん!何でもないよ!あ、おばさんが作ってくれたケーキ食べたいなぁ…!」

と、リサは急に話を逸らした。
私がそうだね!と言うと、2人でパウンドケーキを食べ始めた。