「サユ、誕生日おめでとう。」

さっきまではいなかったお兄ちゃんもキッチンに入ってきた。

「はいこれ、誕生日プレゼント。」

そう言ってお兄ちゃんは持っていたプレゼントを差し出した。
私は早速、プレゼントの包み紙を丁寧に剥がしていった。
入っていたのは欲しかったゲームカセットだった。

「わーいっ!お兄ちゃんありがとう!大好き❤︎」

そう言って私はお兄ちゃんに抱きついた。

「おいおいサユ、キョウマにはとことん甘えるんだなぁ〜。」

と、お父さん。

「何?父さん、俺にヤキモチ焼いてる?」

「そりゃ焼くよ!何せサユは父さんの大事な娘なんだからなぁ。」

お父さんに言われて少し照れる私。
するとお兄ちゃんは、

「あはは。…でもさ、

サユは俺の大事な妹でもあるんだよ。
な?サユ。」

そう言って私の顔を見下ろしながら頭を優しく撫でてくれた。

「えへへ…ありがとうみんな…」

私はなんだかとても恥ずかしくなってしまった。


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